吾唯知足11月1日号

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吾唯知足本稿では、油圧機器大手による免震・制振オイルダンパーの検査データ改ざんに関する論議を書くつもりはないとまずはお断りしておく▼昭和50年代後期の事、吾唯知足子は、関門橋以来のわが国長大吊橋であり、完成の暁には当時東洋最長となる大鳴門橋の建設予定地である鳴門海峡の、全景を俯瞰できる鳴門公園展望台にいた▼渦潮(うずしお)で有名な海峡のど真ん中、激しい急潮流の中で岩盤を掘削し「多柱基礎」を構築して橋脚を建設するという前例のない難工事を、撮影するためだ▼淡路側からのアプローチとなる門崎(とざき)高架橋建設予定地の斜面に撮影の場所を確保し、カメラの焦点を渦潮付近に合わせたものの、強風に巻き上げられた無数の小石が我が身とカメラ、そしてレンズにまるで雨、あられの如く、打ちつけてくる。このあたりに断続的に吹きつける、強い風を、地元ではまぜ(南風)と呼んでいた▼当然、高橋脚の門崎高架橋にとって無視できるものではない。この強い風に対応して多くの技術者が知恵を振り絞った技術の結実である、制振装置としてのダンパーの記事を多くのメディアに先駆け載せたことを思い出す。橋梁専門紙のパイオニアとしての面目躍如と言いたいところだ。

愛知製鋼