吾唯知足2018年11月11日号掲載分

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吾唯知足「五輪で、日本がどんな変化を遂げるのか。物語を伴った作品にすることで世界中の人の心を動かせると思う」——この言葉は、どこかの省庁の官吏の気の利いた発言ではない。2020年東京五輪の公式記録映画の監督を務めることが決まった映画監督の河瀬直美さんが就任会見で述べたものと知った。冒頭の「五輪で日本がどんな変化を遂げるのか」▼この文言にドキリ、とする人は多いのではないか、いや大多数の日本人は今「五輪で日本はどんな変化をみせるのか」と本心では、そう思ってもあけすけに口にできないでいるのではないか▼64年東京五輪の時は次世代プロジェクトとしての1兆円プロジェクトと謳われた五輪に続け、とばかり1兆円プロジェクトとして大阪万国博(70年)が、そして第3の1兆円プロジェクト本州四国連絡橋事業が五輪後の計画として浮上しており、新幹線建設や東名高速道路という牽引役から引き継ぐ次世代の希望と夢、目標が次に控え、経済や経営に携わる経済人や舵取り役の心構えと安心感は今と比較にならないほど、心強かった▼今回、「五輪の後にどんな変化が待っているのか」大小に拘らない国威発揚と高揚感の持続に期待を寄せる向きは決して少なくない、はずなのだが。

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