かつてタクシー5台をチャーターしてソウルのロッテホテルから韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店まで、大枚五百万ウォンをはたいて取材に赴いた。スターバックスなどあるわけがなく、青空の下、北朝鮮の閑静な田園風景がひろがるだけだった▼昨今では中国、ロシア機の飛来も頻発するなか、核開発問題やロケット打上げなど、神経を逆撫でされる国際情勢だが、ここは米韓日の更なる強固な連携を再確認する必要があろう▼世界的な課題といえば気候変動対策だろう。石破総理はいち早く地方創成と国土強靱化で、激甚化する災害の対策をしなければ、国民の不安は拭えない▼また、海水温を下げる努力を続けながら二酸化炭素の排出量削減に真摯に取り組む必要もある。温暖化が進めば紅葉、グルメの領域から縁遠く。美味しい魚もおちおち食べていられない▼昨年11月に開催されたCOP29では、難航した交渉の末に途上国向けの資金としての目標金額が「2035年までに年間3000億ドル」へ増やすと合意された。新興国や途上国への支援として不十分な目標になったという。各国の政府だけでなく平均気温の上昇を1・5度に抑える目標に届かせるには、あらゆる非国家アクターの力を総動員することが必要だ。