社会に貢献できる技術者目指す

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極東興和三本
 極東興和株式会社
 営業本部技術企画部技術企画課長
 三本 竜彦
 
 私は広島に本社のある極東工業(現:極東興和)へ1997年に入社しました。極東工業は主にPC橋の施工を行う会社でしたので、入社する時は当然のように私も現場で施工管理を担当することになると意気込んでいましたが、意外にも本社の設計部署へ配属されることとなりました。当時の私は施工会社に設計部署があることもあまり詳しく知らず、また構造力学などの計算もあまり得意ではなかったため、役に立てるのか不安になったことを覚えています。結局その後20年以上設計部署に所属することになろうとは、その時は考えてもみませんでした。
 設計部署へ配属されてからは、先輩職員の補助として業務を行いながら、過去の計算書や打合せ資料などを参考書がわりにして、道路橋示方書を片手にPC橋の設計の基礎を学びました。その甲斐あってか、徐々に受注工事の設計照査や詳細設計付き工事の設計業務を任せてもらえるようになりました。
 若手のころの設計業務の中で記憶に残る橋梁として、入社5年目に担当に加えてもらったPCラーメン箱桁橋があります。この橋は当初、耐震性を確保するために、鉄筋の組立てやコンクリートの締固めに支障を生じると懸念される量の軸方向鉄筋を配置する計画となっていました。そのため、耐震性能を満足させたまま鉄筋量を低減する目的で、軸方向鉄筋をその当時標準的に使用されていたSD295Aから降伏点のより高いSD490へ変更し、施工性を改善することを試みました。当時はまだSD490などの高強度鉄筋について規準化されていない頃でしたので、採用にあたり課題となった重ね継手に関して供試体を用いた実験を実施するなどした結果、施主から鉄筋変更について了承を得ることができました。その後、短期間ではありましたがこの橋の施工に携わる機会を得ることができ、設計と施工の両方を担当することができるという施工会社ならではのやりがいを実感することができました。
 その後は、新東名・新名神高速道路などのPC上部工の詳細設計を担当することが多くなりました。これらの橋梁では、これまでに私自身経験したことのない新たな技術や工法を積極的に採用していたこともあり、詳細設計を進めるにあたり社内外の技術者と施工方法や構造詳細、維持管理方法などについてさまざまな観点で議論する機会を得ることができました。このことは、今振り返ると非常に良い経験になったと実感しています。最近では、新設構造物だけでなく、補強工事の詳細設計にも関わることが増えてきました。
 2010年から社内組織の変更により設計業務に加えて開発業務も担当することとなりました。その後、開発業務でご縁のあった山口大学大学院の吉武勇先生のもとで、社会人学生として既設コンクリート部材のプレストレス補強工法に関する研究に取り組み、2017年には博士(工学)を授与していただくことができました。学位取得にご支援いただいた方々に紙面を借りて感謝申し上げます。
 昨年から勤務地が東京となり、社外の委員会などに参加する機会も増えてきました。社外の技術者と交流することで通常業務では得がたい刺激を受けながら、日々業務を行っています。社会人としての折り返し地点を過ぎたところですが、これからも常に学ぶ姿勢をもって業務にあたり、社会に貢献できる技術者を目指していきたいと考えています。
 次に紹介させていただくのは、同じ広島に本社を構える復建調査設計の浅津直樹様です。よろしくお願いします。
 

愛知製鋼