吾唯知足2025年11月11日号掲載分

吾唯知足 ▼先月9日に台風22号、13日には23号、二つの台風が伊豆諸島の各島に被害をもたらした。八丈島では避難所を土石流が襲い、避難していた住民は間一髪で難を逃れたという▼道路の陥没、住宅の損傷、人的被害がないのがせめてもの救いだが、11月3日時点で300世帯が断水状態だ。早期の復旧を祈るばかりだが、島外からの災害ボランティアも宿泊施設の不足から受け入れもままならない状態が10月末になっても続いた▼11月4日には台風25号がフィリピン中部を襲い、114人の死亡が確認されている。避難者は数十万人に及ぶという痛ましい事態だ(5日時点)▼台風26の発生が6日に確認されており、さすがに11月ともなれば気圧配置の関係で海上を北上できず日本への上陸はないと思いきや、過去には1990年11月30日の台風28号、明治に遡れば1894年12月10日に台風上陸の記録がある▼今年の盛夏の頃、さまざまな気象条件から9月よりも10月の方が台風被害は危険になると指摘する専門家もいた。まさに『自然の奥深さ』は計り知れずといったところだ▼一方、過去最悪の全国の熊被害は6日時点で死者13人、秋田県では自衛隊の支援にも及ぶ。海と山、いずれにしろ『奥深さ』との闘いは続く。

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