吾唯知足2025年9月1日号掲載分

吾唯知足 かつて五街道の起点として江戸と各地を結び多くの人流・物流が行き交った日本橋で、水辺の景観を再生して『水都』としての魅力を再構築するプロジェクトが進められている。地元行政や民間によるまちづくりとともに、首都高の日本橋区間地下化事業も計画の柱として進捗中だ▼同事業は老朽化した都心環状線の神田橋JCT~江戸橋JCT区間約1・8キロの高架橋を撤去し新設のトンネルで接続するもの。日本橋川上空に青空を取り戻すことで地元のまちづくりを後押しする、前例のない工事として注目を集める▼『本線の至近かつ狭あい、河川上』という厳しい制約の中で初弾の「呉服橋・江戸橋出入口橋梁撤去工事」が完了した。リアルタイム計測の最新技術を活用し正確な変状管理のもと、6200トンにもおよぶ橋梁部が撤去された▼高速利用者としては車窓から眺める高層ビル群の景色がトンネルにかわるのは残念だが、地元の「日本橋再生推進協議会」が示した将来図には、青空を背景に人々が集う活気あふれる日本橋復活への思いが込められている▼その中には新しく架けられる木橋の姿も。昔の日本橋を木造で復元する構想で、実現すれば水都の観光シンボルとして人流を生み出す新たな起点となることだろう。

愛知製鋼