株式会社日本構造橋梁研究所
大阪支社 設計部 課長
岡田 俊彦
2005年に日本構造橋梁研究所に入社して橋梁設計に携わり、今年で丁度20年が経ちました。「地図に残る仕事がしたい」という思いがあり、日本大学理工学部の土木工学科に入り、鋼構造専門だった故若下藤紀先生のところで最後の研究生として勉強させて頂きました。
研究室が鋼構造系ということもあり、当初は無骨なイメージの大型鋼橋設計に憧れていましたが、学習や橋梁見学会に参加しているうちに、鋼橋に比べて外見がシンプルかつどっしりとした印象のコンクリート橋に魅力を感じるようになり、就職活動ではコンクリート橋設計の希望を面接で伝えていました。
入社後、無事コンクリート構造部署に配属され、しばらくは小規模橋梁設計を担当していましたが、3年目に沖縄県宮古島の橋梁「伊良部大橋」詳細設計に関わることになりました。
3.5キロの橋梁の内、弊社担当は2.2キロのプレキャストPC32径間連続箱桁でした。大規模橋梁の設計チャンスを得た喜び以上に、経験の浅い自分にミスなくやり遂げられるかという不安のほうが遥かに大きく、その不安が少しでも解消するため、納得がいくまで泊まり込んで設計を詰めました。
自分で解析を実行するため、思う存分検討することができます。多少遠回りでも様々なパラメータスタディを行い、諸数値の影響を感覚的に掴むことが最適化に繋がったと思います。
開通した2015年にさっそく宮古島を訪れエメラルドグリーンの海に架かる橋梁を見たときは、苦労が報われた気がしました。
その後、施工管理員として中日本高速道路に4年ほど出向する機会に恵まれ、新名神高速道路の詳細設計に携わりました。
机上での解析作業が主なコンサルタントの私には、現場のスピード感や工事に関わる人数の多さに衝撃を受け、上流工程で設計に携わるコンサルタントの責任の大きさを改めて実感しました。
現在まで多くの新設橋梁設計に携われています。
ただし、知識が蓄積されても、作業への不安は一向に軽くなりません。
解析ソフトは自分が指示したことを忠実に実行しているだけで、自分が正しく理解していなければ正しい答えは出ず、誤りにも気付きません。
橋梁建設には多くの人が関わり、完成後はさらに多くの利用者がいます。
自分のミス一つで、大きな事故が起こるかもしれないという重要な仕事をしていると誇りに思うとともに、石橋を叩いて渡るような慎重さと緊張感を常に念頭に置くよう心掛けています。
知識もない入社直後は、何年も続けていれば一通りの設計を経験して満足するのかなと漠然と考えていましたが、業務や委員会活動を重ねるほど未経験の領域があることを知り、やりたいことが終わらない「飽きが来ない業種」として今後も楽しく携わっていけると確信するとともに、今後も安全な構造物建設、技術発展に貢献できるよう努めていきます。
次は、施工管理への出向以来、現在も委員会などでお世話になっています、中日本高速道路の山口岳思氏にバトンを渡したいと思います。
