架橋は責任感と達成感

平見 愛香理

株式会社駒井ハルテック
工事本部橋梁工事部工事2課
平見愛香理さん

文系出身の女性橋梁技術者として現在、滋賀県大津市発注の新設橋梁の建設現場で現場管理を担っている。
近畿大学経営学部にて簿記や財務諸表など、会計を中心とした知識を修得。大学卒業後、橋梁技術者の道を一筋に歩んだ父の影響もあり、9年前に入社を決意した。初めの6年間は大阪橋梁営業部に所属し、近畿・四国エリアの営業を担当。その後、工事部に異動し、現場配属から2年半が経過した。自身2現場目となる。
最初の現場は、滋賀県発注の新設橋建設プロジェクト。営業時代から関わっていた案件を、そのまま施工担当となったものだ。「現場作業は1年半にわたり、体力的にも精神的にも長く感じました。しかし、営業時代には図面でしか見られなかった構造物を、実際に現場で見て触れることで、橋梁のスケール感など、具体的な理解が深まりました。工程管理の重要性や天候・他工区とのスケジュール調整の難しさなど、思い通りにいかないことも多く、毎日が学びの連続でした」と当時を振り返る。
1件目の現場が完了した昨年11月から2件目に着任。すでに架設作業を終え、間もなく竣工を迎える。「現場は、若手社員との2名体制で運営し、ベテランの派遣社員や社内応援の力を借りながら、工事を進めています」と説明。
「施工管理については、設計変更など想定外の事態が起きた際の対応に自分の未熟さを痛感します。まだクレーンベント工法しか経験がないため、先輩方から学べるうちに様々な工法を習得し、現場対応力と技術力を高めていきたい」と次を見据える。
幼少期、父に連れられて明石海峡大橋の開通式でキャットウォークを歩いた記憶が今も鮮明に残るという。「建設した橋は長くその地に残ります。その責任の重さと達成感を日々感じながら、一歩一歩、多くの現場経験を積み、成長していきたいです」と展望する大阪府出身。 (片山宏美)

愛知製鋼