吾唯知足2019年11月21日号掲載分

前号より「橋に生きる顔」と「この女性(ひと)に聞く」を引き継ぎ、「はしわたし」をタイトルに橋梁業界に生きる「橋梁人」を紹介する新コーナーをスタートさせた▼前身の「橋に生きる顔」は、1973年の創刊間もなく始まっている▼記憶に残るエピソードを一つ。とある忙しい朝、その橋梁人は自らが掲載された小紙を読み、慌ただしく出社、その後、起床したご子息が今に置かれた、その見慣れぬ専門紙を手に取り、読み耽った後、「お父さんはこういう仕事をしているんだね」と感心したように言ったそうだ▼帰宅した夜、そんな話を妻から聞かされたそうで、「取材を受けてよかったよ。本当にありがとう」と、記者冥利に尽きる過分な言葉を頂いた▼大正期に販売され日本のインフラ整備に活躍したタイガー計算機は昔日の彼方、現代はAIをいかに活用しようかという時代▼とはいえ、いかに進歩しようと、橋を架けるのは人の手と眼力、そして感性であり、創造力であるのは変わらないはず▼であるからこそ『橋に生きる顔』を世に『橋渡し』する事は、小紙創刊以来、不変の使命である事は言を俟たない▼新コーナーへの自薦、他薦の取材依頼を編集部一同、お待ちしております。

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