協会での学びは良い刺激

石田 英司

システム吊り棚足場協会会長
石田英司さん

全国約54社の足場専門業者が加盟しているシステム吊り棚足場協会の石田英司氏は2020年2月に会長に就任して以来、「協会で学んだことが多々あり、良い刺激となっている」と語り、足場業界の発展と足場施工の安全性の確立に情熱を注いでいる。
吊り足場をメインとする協会設立の背景には、大手メーカーであるタカミヤと施工業者との連携強化、そして各社が独自に行っていた施工方法の標準化と安全性向上への強い願いがあった。「情報共有が一番です。大手メーカーと、我々施工業者と、これまでなかった関係性ができた」と協会の利点を述べる。
「吊り足場は、オーソドックスな施工手順は決まっているが、各社でオリジナルの考え方があって、今までは同じ足場材を使っているのに、こういう部分ではどういう施工をしたら一番安全かについての相談がなかなかできなかった。協会ができ、相談できる場ができた。色々な意見がたくさん出て、現場での施工効率が大幅に改善された。メーカーとの協力によって新商品が多数生まれていく」と、会員間の協力体制とメーカーと施工業者の連携の重要性を強調する。
「協会で新商品を購入して、今まで単管で組んでいた足場を変えた会員さんも多い」と、技術革新の波及効果を語る。
安全対策への取り組みも協会の重要な活動だ。「組み立て時よりも解体の方が危険。組み立て時間よりも解体時間が短い」と解体作業の危険性を指摘し、「基本的にそこは足場を組んだ人間が解体する」と、自社の取り組みを紹介しながら安全意識の向上を訴える。
さらに、石田会長は若い世代への教育と技術の伝承に力を注ぐ。「次世代の技術者を育てることが、業界の未来を築く鍵」と述べ、業界における長期的な発展を見据えた活動を推進している。(永島誠司)

愛知製鋼