吾唯知足2025年9月21日号掲載分

吾唯知足 この8月20~22日にアフリカの約50カ国の首脳が参加し横浜市で開催されたアフリカ開発会議は『横浜宣言』採択で閉幕。重要鉱物資源の安定供給の強化、物流網の整備への支援に加え、アフリカ諸国が抱える債務の適切な管理や「法の支配」の重要性、自由貿易の推進などアフリカの発展に寄り添う姿勢を見せたことは重要なことだろう▼アフリカ諸国と強い結びつきを持つ国と言えば当然、中国。『一帯一路』を軸にアフリカ向け直接投資は、そのピークの2018年度で461億ドル。貿易総額最高だった24年度は2956億ドル▼自国の利益優先の『債務の罠』などと、とかく言われがちな中国だが、そう単純ではあるまい。多くの雇用を生み出す産業技術の移転に加え、医療支援や、国費で賄う留学生の受け入れなど長年かけて培ってきた人・モノの交流は、まだ自国のインフラ整備がおぼつかぬ60年代にまでさかのぼるのだ▼翻って後発の日本が、アフリカ最大規模のマタディ橋をコンゴに建設したのは1983年。当時、本四架橋が進行中であり、日本の長大橋技術者と、コンゴの土木技術者や職人の協働が、40年以上を経ても、地元で愛される橋に結実したもの。まさに未来につながるアフリカとの架け橋だろう。

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