全ては挑戦

山本 公平

株式会社高知丸高
営業管理部 課長
山本公平さん

高知工科大学に在学中、高知丸高の高野広茂社長(現会長)から、仮橋として使っていた鋼管杭橋を本橋として使えないかという共同研究の依頼が研究室にあった。 後のSqcピアを用いた永久橋のステップブリッジ工法へとつながる研究だった。 その際、永久橋とするのに必要なモデルの作成を担当し、高野社長の知己を得た事、また社長の技術に対する姿勢にも感銘を受けたこともあり、卒業後の、2006年4月に入社。 基礎工のパイオニアとして多くの難工事に挑んで来た同社。 「当社の社是に『やれないことをやるのが技能』とあります。出来そうにないことでも、いかにやるかが大事です」 それは自らにも置き換えることが出来ることだった。 大学では社会システム工学科で学んでおり、土木を専門に学んだ訳ではないため、入社後は土木の知識不足に苦しんだ。 しかし全てが学びであり、挑戦と割り切ることで、むしろ前向きにとらえる事にする。 近年でも補修分野への参入を自ら率先して進め実現しており、その手始めに、高知市内の久万川橋の橋脚補修を担当。 「この時は炭素繊維を用いることで耐震性・耐久性を高める事に成功しています」  ステップブリッジ工法は学生時代に自ら係わり、実用化への道筋をつけた工法であり、今では主力技術の一つ。 「高知県がつくる1・5車線のような幅員の小さな道路に適用すれば、耐久性も耐震性も十分あり、コスト減にも繋がります」。 発想の転換と、リスクを恐れずに挑む事が重要。計画を含め足掛け5年を費やした、パキスタンの国道70号線の難工事にステップブリッジ工法で挑み、2019年2月に完工したことはまさにそうした姿勢の結実だった。 四万十市出身。36歳。 (川村淳一)

愛知製鋼