吾唯知足2019年11月11日号掲載分

吾唯知足 台風15号、19号、そして21号と今年は連続して襲来し記録的大雨をもたらした。橋梁の生命線ともいえる床版。その防水工事に精魂込めて精緻に仕上げたはずの床版は大丈夫か、と。大雨、濁水、増水による被水で床版の劣化、疲労の進行に少なからず影響はあろう。緊急点検を求める声は多い▼吾唯知足子の拙宅は荒川の土手(堤防)沿いにほど近い。台風21号の襲来時には隣接自治体を含め、絶え間なく「緊急速報メール」が携帯に届いた▼荒川沿いに東京外環道、首都高速、JR東北線、京浜東北線、上越新幹線、東北新幹線など枢要交通網も走るなど、氾濫があれば影響は首都圏全体に及ぶ▼記者は、東京マラソン参加のための練習で荒川土手を1988年頃から走り、堤防の補強工事を具に見ており、荒川の堤防への信頼感は堤防の高さと厚みに負けないほどだった▼補強工事のためう回路を長期にわたり強いられ「いつまで続くのか」と思いながらランニングしていた。幸い、荒川が氾濫して内水害にはならなかった。今は反省しきりだ▼橋梁の基盤となる床版は、度重なる豪雨で床版防水不十分で劣化、疲労しないか、一斉点検などが必要かと前号でも書いたが防災インフラの項目を一段と深化していかなければならない。

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