吾唯知足2021年1月21日号掲載分

吾唯知足2024年度上期といえば、一万円札の人物は、渋沢栄一になる。渋沢は、「日本の資本主義の父」、というから今の日本の原型を創り、同時に社会インフラを作った人物である▼神戸・三宮は、昭和40年代後半から本四のさきがけ時代に吾唯知足子はよく通った。三宮駅から神戸港に向かうフラワーロードを歩いて5分もすれば神戸商工貿易センタービルという西日本初の高層ビルがそびえていた。旧本州四国連絡橋公団の第一建設局が高層階にあり、全盛期の本四プロの「前線基地」の役目を果たすことになる▼ビルにはのちに本四プロの中枢を担う関連企業も数社入っていた。記者の情報収集の前線基地でもあった。神戸、鳴門ルートが、他の岡山、坂出ルートや尾道、今治ルートに先駆けての工事として注目されたものの、神戸市長でさえ、明石海峡大橋実現に向けた関係資料や文献資料の入手に、躍起となっていた時代だ▼現、近代橋梁史は、天草五橋など積み重ねられた知見とノウハウにある。それらに感謝を忘れてはならない。同時にコロナ禍で、橋梁・道路整備に取り組む官吏や企業、関係者は、渋沢栄一の作り上げた資本主義と流通交通網を進化させており現代版渋沢栄一として小紙「紙碑(紙のいしずえ)」に刻んでおきたいものだ。

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