吾唯知足2021年11月21日号掲載分

吾唯知足 10月31日から開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に就任直後の岸田首相が駆けつけ、「カーボンニュートラル」への日本の取組みを説明したが、環境NGOがつくる「気候行動ネットワーク」からは地球温暖化対策に消極的と認定される「化石賞」を贈られることになった▼それなりに日本の存在感は示せたものの、英国のグラスゴーはほろ苦い国際デビューとなったわけだ▼もっとも2019年のCOP25で、梶山経済産業大臣と小泉環境大臣による発言や演説に対し「化石賞」が連続して贈られた『快挙』を考えれば、ある意味、これは想定内、カーボンニュートラルを経済成長の足かせと捉える面々からはむしろホッとした声すら聞こえそうだ▼ただし現実に異常気象が世界中で災害を引き起こし、その被害に直面する状況では、化石賞何するものぞ、という態度では産業どころか社会が成り立たない▼カーボンニュートラルを経済成長のチャンスとして世界の産業界はいち早く走り出している。日本でも既に経産省が中心になり「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定、産業界を後押しする態勢は十分にできたはず。将来、振り返れば今が分水嶺だったと思うに違いない。

愛知製鋼