吾唯知足2026年2月28日号掲載分

吾唯知足 国内の新設橋梁は人口減少や財政制約により頭打ちとなり、維持管理や更新が中心となっている▼一方で中国や韓国では国家戦略として海外で大型橋を次々と建設し、存在感を示している。日本もトルコのオスマン・ガジ橋など商業案件で成果を上げたが、全体としてODA中心で限定的だ▼国内では地域再生群再生戦略マネジメントにより管理をスリム化する動きが進み始めている。防災や交通、地域経済効果など基準を満たす場合に限り維持が望ましく、国内で更新・維持管理と選択的な新設を行い、海外で旺盛な需要に応える二本立て戦略が現実的だ。国内で新設を維持することは技術継承や防災対応に不可欠で、不要な橋を作らない選択は財政効率化と持続可能性に資する▼今後は防災・交通必須性・地域経済効果・人口動態・LCCを総合的に評価し、新設橋の基準を定めることが課題だ。従来は交通需要予測を前提に整備を進めてきたが、今後は地域の人口動態や産業構造と結びつけて橋の必要性の選別が不可欠だ▼国内での経験は海外展開にも活かされ、効率的なインフラ設計や過剰投資回避の知見となり得る。日本の橋梁産業は質と信頼性を武器に、国内外で選択と集中を進めることが持続可能な未来を拓くだろう。

愛知製鋼