3週間を経てなお泥沼、出口なしのイラン戦争だが、もっとも衝撃的なのが3月8日からイランのドローン攻撃がバーレーンの海水淡水化プラントに及んだこと▼バーレーンはほぼ100%、そのほかクウェート約90%、オマーン約86%、サウジアラビアで約70%、海水を淡水化し飲料水として使っている▼その前日にペルシャ湾のゲシュム島にあるイランの淡水化施設が攻撃されことへの報復とみられるが、アメリカは自軍の関与を否定している▼名作『アラビアのロレンス』を思い出す。アラブ人との同盟の密命を帯びた主人公ローレンスがベドウィンの案内人と共に砂漠を横断中、オアシスに立ち寄る。井戸の水を飲むが、そこに別の部族の王子が現れ、即座に案内人を射殺する。わが井戸の盗人を許さず、というわけだ▼いかに水が貴重であるか、80年代には、アメリカCIAは中東において、水は石油以上の戦略物質と分析している▼淡水化プラントに不可欠な技術の一つが高分子膜で作られた逆浸透膜だ。2010年代には世界シェアの6割以上を日本の化学メーカーが担っていた。各国の参入で減ったとはいえ現在でもシェアは5割超えという▼世界の水インフラを支える『日本の底力』、平和であればこそ『世界の真ん中で咲き誇る』。
