土木技術は世界共通

森 康範

五洋建設株式会社
東京土木支店専門所長
森 康範さん

(仮称)羽田連絡道路を整備する、五洋・日立造船・不動テトラ・横河・本間・高田共同企業体。その総括責任者として現場をまとめる。
多摩川を渡河する橋梁区間は、橋長602メートルの鋼3径間連続鋼床版箱桁橋と、橋長72メートルの鋼2径間連続鈑桁橋で構成。河川内に位置するP3・P4橋脚は5月、7月に完成する予定であり、同時に工場での鋼桁の製作、地組ヤードでの架設ブロックごとの組立も進めている。6月中旬からは、順次、橋桁の架設も開始する予定だ。完成すれば多摩川河口に最も近い第1橋となる。「おそらく、羽田空港に降りた人が最初に見る橋となる。この工事に携わることができ、私も含め職員一同、誇りをもって業務に取り組んでいる」。
1982年に入社。橋梁工事では、国内のPC橋梁工事2件とシンガポールでのMRT工事の現場を経験。シンガポールの工事では、延長6キロの橋梁区間の施工を日本人技術者3名と現地の技術者で担当。30代前半だった森氏も1・5キロの区間を技術者一人で担当していた。
現地で数々の苦労をしたが、最も大変だったのは習慣の違い。「当時は工事の進捗状況、作業内容、問題点等の情報を共有するための日々の打合わせを行う習慣がなく、定めた時間に打合わせを開始するようになるまで1カ月以上かかった」と笑顔。
世界に出て得たことも多い。「英会話は必須。打合わせに苦労したが、言葉は通じなくても技術者同士通じるものがあった。土木技術は世界共通だと実感した」。また、その後に担当した工事においても、人間関係を重視して取り組むようにしている。
広島大学工学部卒。愛媛県西条市出身の59歳。 (山田由乃)

愛知製鋼