城陽西高架橋(仮称)NEXCO西日本・関西支社新名神京都事務所

城陽西高架橋

NEXCO西日本・関西支社の新名神京都事務所が京都府城陽市に建設を進めている新名神高速道路の城陽西高架橋(仮称)で9月28日、国内最大規模1350トン吊クレーンで橋桁の夜間架設工事が行われた。 同橋は橋長599・5メートル、幅員14・28~16・16メートルの鋼11径間連続合成鈑桁橋。詳細設計、工場製作、施工はJFEエンジニアリング・日本ファブテックJV。合成床版部のみ川田建設が製作した。クレーン作業は平野クレーン工業が担当した。工期は、2018年11月~23年11月末まで。 昨年11月から現地着工し、現在、京奈和自動車道、城陽JCT、国道24号と交差するP45~P50間の架設を進めている。 架設には交差する道路を通行止めする必要があり、通行止め回数を最小限にするため、合成床版、検査路まで地組した大ブロックの橋桁(約220トン)を合計8回架設する計画だ。 6回目となる同日の架設は、雨天のため前日からの順延となっていた。20時から玉掛点検などの準備作業に入り、供用中の城陽JCTBランプは21時から閉鎖するとともにクレーン巻き上げを開始。車両通行規制が完了されたのを確認した後にクレーンの旋回に入った。 供用中のJCT内での作業であることから旋回ヤードが狭いため、カウンターウエイトが吊下げ形式のクローラクレーンを使用し、吊荷とカウンターウエイトのバランスを取りながら旋回した。また、作業中にカウンターウエイトを積み増しする工程や架設完了後の玉掛解放と同時にカウンターウエイトの荷重を解放する工程が必要となった。 約1時間かけて橋桁を架設地点に到達させ、巻き下げ作業に続いて桁位置調整を行った。その後、ドリフトピンや仮ボルトの取り付け、カウンターウエイトや玉掛を解放して全ての作業が順調に進み、安全確認後、3時に規制を解除した。 ウエブ添接用の足場は地上から先行して仮設置するとともに、添接板を事前に設置しておくなど、架設時間の短縮と安全性の向上を図った。 また、落とし込み架設であるため桁が入らないという事態を回避する目的で、製作工場内での仮組検査を実施し、製作誤差によるリスクを排除。架設済み桁を5センチセットバックして設置することで架設桁のスペースを確保し、施工誤差や温度伸縮に伴うリスクを排除した。 新名神京都事務所の城陽西工事区の仲田晴一工事長(写真)は工事について、「供用中道路に近接した工事であるため、安全最優先で一日でも早く工事が完了するように受発注者一体となって頑張っていきたい」と述べた。 新名神高速道路は、名古屋から神戸市を結ぶ約174キロ。名神高速道路、中国自動車道など周辺の高速道路とともに近畿圏と中部圏を結ぶネットワークを形成する。甲賀土山ICを境に東西で、NEXCO西日本と中日本に管轄が分かれている。 草津田上~草津間は05年、亀山~草津田上間は08年、城陽~八幡京田辺間と高槻~川西間は17年、川西~神戸間は18年にそれぞれ開通。 現在は大津~城陽間は24年度、八幡京田辺~高槻間は27年度の開通を目標に建設を進めている。

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