常に勉強が必要

本間 信之

東京都
建設局 道路管理部橋梁構造専門課長
本間 信之さん

大学の廊下に展示されていた瀬戸大橋のパネルとの出会いがその後の進路を決めた。橋梁設計を主業とする建設コンサルタント勤務を経て1989年に入都。交通局配属に。
「橋梁の仕事がしたい」と、入都6年目に建設局へ。「これまで、多くの橋梁に関わりましたが、常に勉強が必要です」
95年、発災後の神戸へ。阪神高速のピルツ橋脚の倒壊、多くの橋梁の被害を目の当たりにし、「橋梁技術者は皆、大きなショックを受けたと思います」。都の一本柱橋脚の補強と落橋防止強化の3カ年計画を策定した。
97年から4年間は、荒川下流部の斜張橋・清砂大橋の担当に。都では事例の少ない斜張橋の工事発注で、「首都高の葛飾ハープ橋や鶴見つばさ橋の工事誌を読み込んだり、専門家にヒヤリングしたり。基準類がない中で、自分で取りまとめていく。当時はとにかく大変でしたが、あの経験は、その後の仕事に随分と生きることになりましたね」。
08年から3年間は、都の長寿命化工事の先駆となった、駒留陸橋の長寿命化工事に携わった。環7の重交通を車線規制し、狭隘な現場で深夜に工事を進める「まさに都市土木という仕事でした。請負者と技術力を尽くし、一体となってやりきった」。
現職の道路管理部では道路橋1200橋、歩道橋や人道橋700橋を管理。「これらの橋を常に良好な状態に維持管理して、安全で円滑な交通を確保することが、橋梁管理者の責務です」。既存の橋梁の管理に関する中長期計画のローリングを進める。
多忙な毎日の息抜きは「最近始めた」ウクレレ。「音色がいいんですよ」
東京都出身。東京理科大卒。54歳。(根津寿子)

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