橋と人の調和を目指して

鷹巣 恵一

日本高圧コンクリート株式会社
執行役員PC事業部東京支社長
鷹巣 恵一さん

札幌に本社を置き、全国に橋梁事業を展開する日本高圧コンクリートで、鷹巣氏は2013年10月から同社のPC事業部東京支社長に就任し、東京を中心に関東全域と東海・北陸地方の新設橋梁の受注から施工までを統括している。
大学の講座でコンクリートと出会った鷹巣氏は、川で隔てられた地域と地域をつなぐ橋を作る仕事に魅力を感じ、1982年に同社に入社。20年間にわたり地元北海道を拠点に、プレストレストコンクリートの仕事に従事した。
その間には、世界初のPC・鋼複合連続エクストラドーズド橋となる第二名神の木曽川橋工事で、4年間を家族とともに四日市で過ごし「この時に現場で知り合った方達との人脈が、東京に転勤してからの業務に大変役立ち、私自身の財産となった」と当時を懐かしむ。
現在同社では、効率的にPC鋼材のかぶりを確保し、PC床版端部の充填不良や剥落のリスクを軽減させる『PC床版端部処理システム』を独自開発(特許出願中)し、更新される床版のさらなる耐久性向上に期待がかかっている。
「東京支社では今後、NEXCOなどが発注する維持修繕工事におけるプレキャストPC床版の受注に主軸をシフトする」と、市場が拡大する保全分野への転換を強調する。
東京に来て早14年。社内では常に全体的な調和を重んじ「公共事業や建設産業は、人々の安全安心につながるための仕事だということを、より多くの人に理解してほしい」とその部分については真顔で話す鷹巣氏。
年に数回は北海道に帰省し「家内と回るゴルフが一番の楽しみ」と、もっぱら週末は単身生活の暇つぶしと、健康維持を兼ねたゴルフの練習に励んでいる。また、「手打ちの年越し蕎麦を家族にふるまいたい」と、退職後を見据えての蕎麦打ち修行も計画中だ。
北海道大学大学院工学研究科修了。北海道出身、63歳。
(本間俊行)

 

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