コミュニケーションが成功のカギ

大西 浩文

千代田塗装工業株式会社
中津川事務所 現場代理人
大西 浩文さん

千代田塗装工業に勤めていた知り合いから「うちの会社で働いてみないか」と声をかけられ、2017年の冬、43歳で転職。20代の頃から現場で技術を磨き、いつかは現場監督の仕事に挑戦してみたいと考えていた頃だった。 入社後、一級土木施工管理技士の資格を取得。ほどなくして任された姫路市のJRの跨線橋、太子陸橋は非常に思い出深い。 塗装塗替えや補修など全9工種を3年間の工期で行う大きな工事で、着工は2017年。21線の電車が通過する大きな跨線橋で、特に足場の撤去作業は一番の難工事だった。 「電車が動かない深夜、2時間程度のごく限られた時間しか作業ができないのが本当に難しかった」と当時を振り返る。 万が一、架線に影響を与えれば電車は動かなくなり、作業の遅れは始発の電車に影響し大混乱を招きかねない。現場監督としてすべての責任を背負っている以上、そんな事態は許されない、という恐ろしく大きなプレッシャーを背負い、綿密に策定したスケジュール通りに職人を動かす。 「やはり、元請業者の人たちや現場の職人とのコミュニケーションが一番大切で、それが工事の成功のカギ」となることを改めて痛感し、その教訓は今でも一番大切にしていることだ。 現在の中津川の現場でも、地元自治会など地域の人たちとのコミュニケーションを大切に、理解や意思疎通があるからこそ順調に、事故なく工期を迎えられそうだ。 昨今、橋梁補修工事が着実に増えていることを実感し、「定期的なメンテナンスは橋梁長寿命化に貢献するもの、だからわれわれが頑張らないと」と今後にも意欲を燃やす。 歴史小説が好きで、最近では吉川英治の小説を読みながら休日を過ごす。そして大好きなお酒が次の日の元気の源だ。 兵庫県姫路市出身、49歳。 (本間俊行)

愛知製鋼