保全業務にも意欲

木原 三四郎

株式会社オリエンタルコンサルタンツ
九州支社 構造部 技師
木原三四郎さん

2013年4月に入社。九州支社構造部に配属され、以後、主に九州および沖縄圏の新設橋梁の設計に従事してきた。 2018年、沖縄総合事務局・北部国道事務所が発注する『平成30年度 名護東道路事業促進等検討業務』に携わった。 一般国道58号名護東道路は名護市を中心に北部地域のネットワークを強化するため工事が進む道路。業務は350メートルのICランプ橋の詳細設計も含む、事業進捗管理、工事技術支援、課題に対する対策検討等だった。  「事業個所は海岸線と山岳に挟まれた地形、いわゆる『難所』でした」。しかも、国道は中央部に地下埋設物があり、その上に橋梁を架設するため橋脚の設置にも制約があった。 「橋脚位置を綿密に検討し、設置個所も限られるため橋梁支間を長スパン化し、鋼4径間連続鋼床版箱桁橋を採用しています」。鋼製橋脚と大口径深礎杭および場所打ち杭(群杭)を採用することで狭隘な場所での下部工施工の円滑化を図った。 「道路管理者にとって架設時の交通規制は頭が痛いところですから、ドーリーによる一括架設を採用しできる限り規制を最小化しました。架設はこの2月から順次が行われます」。様々な技術、工夫を盛り込むことで、難題を乗り切った工事、入社5年になり中堅に向かう頃の技術者として一つのエポックとなる仕事だったそうだ。 「長く、新設設計に携わってこられたのは技術者として、幸運でした」と語りつつも、最近は維持管理関連にも意欲を感じるそうだ。実は名護東道路でも海岸線沿いの橋梁であることから塩害防止に、上部工に耐塩害性に有利なセバン型箱桁(閉断面構造)を採用し、後々の維持管理にも配慮した。 「社会インフラの老朽化は待ったなしで進んでいます。保全業務にも関わりたいですね」 毎週末にはランニング。「ひたすら走ることで気分転換にもなります」。30歳。広島県出身。 (川村淳一)

愛知製鋼