吾唯知足2019年12月11日号掲載分

吾唯知足 まさか、万葉集ゆかりの、新元号「令和」も奉祝したわけではあるまいが、紅葉の最盛期までさくらの満開(「さくらを見る会」の名簿騒動)が咲き乱れ、紅葉とサクラのコラボレーションという、珍しい年となった▼新語・流行語大賞「ONE TEAM」も決まり、今年一年を振り返るにはまだ早すぎるというわけではない。橋梁市場のキーワード、長寿命化点検も2巡目に入り、従来の事後保全から予防保全に取り組んでいる。特に今年は台風15~21号までの一連の豪雨による甚大な自然災害があり、橋梁の流出や落橋に見舞われた。改めて生活インフラの強靱化、防災インフラの強化、構築・整備が声高に求められている▼東京オリンピック・パラリンピック後の活力維持や災害復旧・復興含めた未来への投資を緊急かつ広範な連携をもって実行する必要があるだろう。IOCにもてあそばれるがごとく、開催地の東京都もJOCも反論もできずに、オリンピックの本質を劇的に変質させかねない現況。東京五輪なのか、札幌五輪なのか、すっきりしない五輪が、何を世界に発信するのか▼マラソンランナーと応援団、新しく建設された国立競技場も地団太を踏んでぼやくのでは。「返上の考えは微塵もなかったのか」と。

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