吾唯知足2023年3月11日号掲載分

吾唯知足 東日本大震災から12年になる。今なお復興事業に取り組む仙台河川国道事務所などの動きを、小紙2月21日号でも掲載した。興味深く読んでいただけたのではないか▼記者は地震と未曽有の津波被害被災の後、傷跡深い国道を石巻(宮城)~八戸(青森)間の三陸沿岸を往復10回取材した。今では、仙台~八戸間を接続する三陸沿岸道路が大きな役割を果たしている▼懸念されることは、原発再稼働の行方だ。エネルギー逼迫の危機から、東日本大震災での後遺症を残したまま再稼働が進められようとしている。双葉町など、帰還困難区域の一部では避難指示解除も出ているが、かつての住民は今なお帰還がままならない▼岸田政権は原発の再稼働を明言しているが、課題は福島原発の事故について国や自治体(いずれも主語とした)、事業者らがいまなお、真摯に謝罪をしていないことだ。原発の再稼働へと舵をきるならここは、真摯な謝罪の言葉が必要ではないのか▼このように色々と考えていると、携帯用の簡易な放射能測定器を携行しつつ行った取材が、つい昨日のことのように思い出される。実際に被災地を歩き、復興への建設行政の取り組みを追ってきたからこそ、いつまでも記憶は色あせることはないだろう。

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