吾唯知足2026年6月1日号掲載分

吾唯知足 今年3月の調査によれば、公共の橋梁・高架構造物工事の受注額は5252億円台に達した。前年同月比82・9%増という大幅な伸びで、年度計も2兆399億円と増加となった。インフラ需要は堅調だ▼背景には国などの積極的な道路予算執行がある。公共機関からの受注工事のうち道路が前年同月比27・9%伸び、橋梁はその牽引役となった。特に維持補修が前年同月比約41%増と急増しており、既存インフラ長寿命化投資が元請受注を強力に押し上げた▼元請の好調に反し下請受注高は12カ月連続の減少を記録した。橋梁など土木の下請金額は年度計で25・5%減と大幅ダウン、元請の活況が下請けに届いていない。総合工事業の下請受注も通年で約2割減と、業界内の構造的乖離が鮮明だ▼統計は、下請受注高が12カ月連続減少し、現場の下請に資金が十分行き渡っていない実態を示す。技能継承や維持管理の持続性を考えれば、施工を担う足腰の弱体化は看過できない。健全な資金循環と格差是正が、建設インフラの未来を守るための喫緊の課題だ。他方で設備工事業の下請受注は前年同月比3・4%増加し、業種間で明暗が分かれた。今後は月々の動向を注視し現場の末端まで活力を波及させる視点が不可欠だ。

愛知製鋼