感謝と使命と責任と

山田翔平

ウシワカ製作委員会会長
ヤマダインフラテクノス株式会社
専務取締役
山田翔平さん

「牛若~日本のインフラを守る技能者たちの挑戦~」は今年で4年目を迎えた。橋を守る若き技能者にスポットを当て、地上波を通じてインフラ再生の重要性を広く世間に訴え続けてきた。その原動力をたどった。 祖父が創業し、父が継いだ山田塗装店(現:ヤマダインフラテクノス‖愛知県東海市、山田博文社長)の次男として生まれる。自宅は社の敷地内で、住み込みの職人と共に生活。「幼少期から飯も風呂も遊びも職人と一緒で、憧れは強かった」と話す。 小・中・高とサッカーに打ち込み、大学では経営学部に。卒業後は日本ペイントに就職。4年後、現社に入る。 日本ペイントでの外部経験や父の薦めで入った「青年経営者研修塾」での体験により、これまでの職人への思いはあこがれから大きな感謝、そして使命や責任へと変わっていった。 「先人たちが築き守ってきたインフラ。これらがあるからわれわれは当たり前の生活ができる。この感謝の気持ちを忘れてはならない。そして、自分たちにはこれを受継ぎ、次世代に継承する使命と責任がある。それを今、牛若の活動を通じて仲間達に伝えたい」と語った。 社の業績を高める努力も欠かさない。父が開発した主力の「循環式ブラスト工法」の普及に尽力するも、将来の日本を見据えた場合、次の一手が必要と考えた。循環式ブラスト工法の工程に、鋼材の疲労き裂の予防保全工法であるショットピーニング工程を組み込んだ新技術の展開がその一例だ。 同技術は、国土交通大臣が掲げるインフラ老朽化対策における「予防保全への本格転換」にも合致する。他にも海外を視野に入れた展開など様々な戦略を企てているという。 「加速度的に進行するインフラの老朽化に加えて深刻な人材不足。30年後の日本を見据えて、自分の子や孫が安心して生活できる日本を作るため、『誇り高き挑戦』を続けます」と最後に語った。 (片山宏美)

愛知製鋼