橋の魅力発信プロジェクト

原口太輔協和設計株式会社
事業開発本部 事業開発グループ 次長
原口太輔

1976年生まれの私が10代に意識した「土木」と言えば、テレビで報道される青函トンネル・瀬戸大橋・レインボーブリッジなどの巨大インフラでした。 しかし、日常で土木の魅力を実感することは少なく、土木やものづくりに憧れる子供ではありませんでした。今振り返ると、小学低学年の絵画教室で自然が生み出すアートに触れ、小学高学年の自然体験型算数塾で数式と図形に親しんだことが、高校生で数学(だけ)が得意科目になることにつながったのだと思います。 土木への志が低くてお恥ずかしい限りですが、仮定から推論する数学と構造物の設計に共通点を感じたことで、自ずと工学部土木工学科に進学しました。 1998年に建設企画コンサルタント(現在のCPC)に入社し、3年目に東海北陸自動車道松森高架橋(PRC12径間連続2主版桁橋)を担当したことが、橋梁設計を好きになるきっかけになりました。指導いただいた上司の技術的な能力だけでなく、能動的な業務姿勢こそがやりがいにつながることを若い技術者なりに感じたのを覚えています。その上司との出会いは、今も私が建設コンサルタントとして働く支えになっています。 その上司とのご縁もあり、2004年に現在の協和設計株式会社に転職しました。建設コンサルタント業界として冬の時代も経験しましたが、この仕事を続けたいと思える環境と業務を与えていただいた会社に感謝しています。 2011年からは、管理技術者の立場で業務に携わるようになりました。発注者の業務表彰は大きな励みになりましたが、若い技術者に対して私が若い頃に憧れた上司のような背中を見せられずに、戸惑いを感じることもありました。その頃から、建設業界の人材不足・技術伝承という情報も増えた気がします。 そのような中、2016年から当社 久後雅治社長(建設コンサルタンツ協会近畿支部技術部会長)が発起人となり、橋梁に関わる入職者の確保および離職者の減少を目的として(一社)建設コンサルタンツ協会近畿支部・(一社)日本橋梁建設協会近畿事務所・(一社)プレストレストコンクリート建設業協会関西支部の3協会が連携した意見交換が行われました。その結果、私に代表のお話をいただき「橋の魅力発信プロジェクト」を発足する運びとなりました。 橋の魅力発信プロジェクトは、インスタグラムをプラットフォームとして情報を発信しています。原田ちあき氏(イラストレーター・漫画家)とのコラボ企画など、参加いただいている委員の斬新なアイディアのお陰でフォロワー数7400人を超えました。 フォロワーの学生が橋の魅力を感じてくれて、将来は橋の設計を志望してくれるはずと期待しています。ぜひ、みなさんもフォローをお願いいたします! 次は、「橋の魅力発信プロジェクト」発足時に、大変お世話になった川田工業の亀村治彦さんにバトンを渡します。

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