正確な技術継承

加藤 謹生

MKエンジニアリング株式会社
保全部 課長
加藤 謹生さん

「香川県出身ということもあり、幼少時から瀬戸大橋の建設風景を身近で目にしてきたという。本州と四国が橋でつながるという夢のような現実に高揚感を覚えました」と話す。
東京電機大学を卒業後、1993年川田工業に入社。橋を仕事にする第一歩となる。
同社で鋼橋の設計に携わり、その後、橋梁メンテナンスで橋梁保全の設計に携わる。そして川田建設で鋼橋・PC橋の保全設計をすることに。今年8月からは現在の職に。川田建設から2年間の出向となる。
MKエンジニアリングは鋼橋の疲労亀裂、腐食を主とした点検業務、鋼橋のメンテナンスを中心としたコンサルタント業務を行っている。
今後、深刻化するインフラの維持管理費用の増大を想定して、適切な診断に基づいて最小限(スマート)の労力と費用で、適切な維持管理を(レトロフィット)の提供を目指す「スマートレトロフィット」を提唱、産官学による新技術開発と実験を行っている。
印象に残る橋梁は川田建設時代に担当した栃木県発注の下塩原第一橋梁だ。PC上路アーチ橋で、鋼アーチの架設後、それを基にコンクリートを打設するメラン工法を採用した。
「メラン材自体の構造設計のほか架設時の検討も新鮮な気持ちで業務に臨みました」という。
「調査、点検の技術は日々進歩しており、補修補強の材料も同様です。客先に新技術を提案する立場として、それらの情報に常に敏感であらねばならないと考えています」
仕事で心掛けるのは次世代の人への正確な技術継承という。
東京電機大卒。49歳。
(永島誠司)

愛知製鋼