水マネ大学、橋梁関係者の受講に期待

奥田 早希子

一般社団法人Water-n
代表理事
奥田 早希子さん

「試験管の中で生命体を生み出したい」と、子どもの頃から持ち続けた一つの夢は、大学のコスモケミストリー研究室にまでつながった。そしてもう一つ、別の大きな命題があった。 地元の尼崎はとにかく公害がひどく、大気汚染の影響でぜんそくを患う友人も多かった。近所を流れる川のヘドロからメタンガスが発生し悪臭を放つ。その川を見ていたとき「川を流れるゴミは取り除くことができても、水に溶け込んだ汚れは取り出せない。それならば汚くなった水をきれいにするより、はじめから汚くしないように使った方が賢く簡単なはず」と小学生ながらに考えた。これこそが、いまの仕事の原点だ。 大学卒業後は下水関係の企業や、環境・公害問題に特化した専門紙の編集記者など「水」に関わる仕事に携わってきた。しかし「自分の想いだけで媒体を作りたい」という気持ちが高まり、自ら取材・執筆した記事を冊子にして発行するため、2017年10月にWater―nを起業する。 記事を発信する専用Webサイトを立ち上げ、インフラ業界に関わる人たちが学び、つながる場をつくろうと、水インフラマネジメント大学も設立した。講師の話に刺激を受け、新規プロジェクトの発想を業務に生かしてもらえれば何よりで、今後、橋梁関係者の受講も大いに期待している。 土木学会100周年記念で作られたCNCP(シビルNPO連携プラットフォーム)のサポーター登録がきっかけで、インフラテクコン立ち上げ時からPR部会長に就任。今後は「水」にこだわらず、視野を広げてあらゆるインフラの世界に活動の場を広げていくつもりだ。 休日は、サッカーJリーグ・清水エスパルスの熱烈なサポーターとして、地方での試合にも駆け付け、ゴール裏で飛び跳ね、声援を送り続ける。 兵庫県尼崎市出身、筑波大学第一学群自然学類・理工学研究科化学専攻修了。(本間俊行)

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