海外の長大橋を架ける

衛藤 修平

株式会社IHIインフラシステム
橋梁技術本部エンジニアリング部 計画第2グループ
衛藤修平さん

歩道専用で日本一高い吊橋、夢大吊橋を小学生の頃に歩いた。ふと故郷を想う時、その感動の記憶が蘇る。「人々の生活の基盤を支える橋梁を架けたい」、それが今の仕事の原点にあるものだ。 学生時代、中学から続けてきたソフトテニスのサークルと並行して、学祭実行委員としてイベントを成功に導くため、自らプロジェクトを立案、計画し実行することに力を注いだ。チームで何かを成し遂げるのが好きなタイプで、リーダーシップの重要性や、時間と人的リソースの管理の大切さを体得した。 2020年4月、入社時の配属先は当時の建設部で、岐阜県の「東海環状自動車道根尾川橋他2橋(鋼上部工)工事」を担当した。架設検討から現場業務まで、橋梁架設の一連の流れを経験。埋設物(光ケーブル)の非常に近接した位置に、支保工の杭基礎を打設する施工計画で、一つでもミスを起こせば近隣住民に大きな影響を及ぼすことになる。そのため、施工時は作業員と入念な確認作業が欠かせなかった。「緊張感があった分、施工完了時の達成感はものすごく大きかった」と、初めて担当した大きな仕事を振り返る。 現在、より安全で現実的な架設の検討業務を担うエンジニアリング部の計画グループに所属し、「東京外環自動車道八潮パーキングエリアランプ橋(鋼上部工)南工事」を担当する。 インフラの老朽化や人口減少、豪雨災害の常態化など、維持管理が困難となっている現況に際し、「橋梁をはじめ構造物の老朽化や耐震補強など、保全事業への取組みが求められている。今後の市場の変化に対応するべく、保全案件にも携わりたい」と考えている。 「海外で長大橋を架けてみたい」という憧れを現実のものとするため、まずは国内で実績を積み上げ、海外でも活躍できる立派な技術者を目指す。 長岡技術科学大学大学院工学研究科卒。大分県出身の28歳。(本間俊行)

愛知製鋼