吾唯知足2026年4月21日号掲載分

吾唯知足 アメリカではクリスマス映画として名高い「素晴らしき哉、人生」。強欲な富豪は町の土地の買い占めを図るが、それを阻むのが住宅金融会社を営む主人公。しかし富豪の「罠」にはまり、資金不足で会社は倒産寸前。クリスマスの日、絶望した彼は自殺を試みるが、彼の善良さを惜しむ神は天使を使わし助けるという内容だ▼映画の中盤、まだ希望に燃える主人公に友人が儲け話を持ちかける。これが大豆から作る樹脂工場への投資だった▼1907年のベークライトに始まり、様々な樹脂(プラスチック)が開発、原料も石炭や石油で安価、成形し易いためデザイン重視の家庭用品にも最適だった▼今ではブラジルに次ぐ世界2位の大豆生産国のアメリカだが、その生産量が急速に増えたのが1930年代後半。ほとんどは大豆油や飼料用だったが、映画が作られた1946年にはプラスチック原料としても注目されたらしい▼現在、大豆ほか植物由来の様々な樹脂製品が開発され、道路のアスファルト舗装などに使われるものもある▼それにしてもナフサ不足は深刻だ。14日には日本塗装工業会が塗料不足の建設現場の危機を訴える会見を行った▼「土地の買い占め」が得意の海の向こうの「富豪」に、この現場の声が届くことはあるだろうか。

愛知製鋼