カンガルーケアとは出産直後の新生児を、母親(父親の場合も)が胸の素肌を直接接し、抱きしめること。新生児の呼吸・心拍の安定、親子の絆(愛着形成)を深めるなど様々な効果をもたらすという▼カンガルー母子の愛らしい姿からとられたようだが、オーストラリアにおいて彼らの置かれた立場は複雑だ▼オーストラリア全人口約2740万に対しカンガルーは軽く2倍を超える5~6000万頭▼砂漠や草原、開けた森林を好むカンガルーだが、天敵が少なく自然界での個体数調整が難しいため、人の手で年間170万から240万頭が殺処分される▼処分後は食肉として流通し、また皮革製品としても人気が高い。当然これに対する動物愛護団体などからの反対も根強い▼雨量が豊富な年には食料となる草が大量に育ち個体数が大幅に増え、今度は食糧不足となる。食べ物を求めて人間の生活圏に接近し農地を荒らす。また道路にも現れ接触事故を引き起こすことも多いという▼日本における熊の市街地への出没と重なるようだ。昨年度に全国で殺処分された熊は過去最大の1万4311頭。これでも個体数管理としては不十分と懸念する専門家もおり、熊被害は今年も予想される。里山の再整備を含め抜本的対策が求められる
