現場で本当に役立つ技術を

平手 克次

有限会社丸重屋
代表取締役社長
平手克次さん

もともとは斜面防災の仕事に携わっていた。その中で、「インフラメンテナンスは人の命を守る仕事」であることを強く実感し橋梁維持管理の道へ進んだ。
橋梁やトンネルなど社会インフラの点検・調査・診断に携わるなかで、老朽化が進むインフラを次世代へ安全に引き継ぐためには、現場に根差した技術と迅速な対応が必要だと痛感する。2003年10月に丸重屋を創業。「現場で本当に役立つ技術を提供したい」。その信念は今も変わらない。
これまで数多くの橋梁に関わってきたが、特に印象に残っているのは4つの橋だという。1つ目は茨城県の総和高架橋。建設技術研究所、土木研究所と協働し、自動超音波探傷技術を実橋へ適用した。「現在の技術開発につながる原点となった仕事です」と振り返る。2つ目はカンボジアのチョルイ・チョンバー橋。海外で日本の技術の活躍を実感した。3つ目は複雑な構造に驚かされた橋本五差路、4つ目は荒川河口橋で、その維持管理に携われたことは技術者として大きな財産となっている。
現在は夜間ドローン橋梁点検技術やAIによるひび割れ解析、点検データのDX化などに取り組むほか、磁力吸着式走行ロボット「Mクローラー」とドローンを組み合わせた〝ベストミックス〟による点検手法の確立を目指す。「それぞれの長所を生かし、より良い技術を届けたい」と話し、「現場で本当に使える技術」を追求している。
日本非破壊検査工業会のインフラ調査士講習会やインフラ点検技術講演会、ドローン測量教育研究機構の試験問題作成委員会でそれぞれ委員長を務めるほか、土木学会インフラメンテナンス大賞優秀賞やインフラメンテナンスエキスパート賞などを受賞している。
最近は健康維持のための筋力トレーニングに励むほか、健康サプリメントについて勉強することが楽しみの一つ。「知らないことを知るのが面白い」と笑顔を見せた。 (野木 隆佑)

愛知製鋼