魅力ある保全工事へ注力

本間 順

株式会社駒井ハルテック
技術本部 橋梁設計部部長
本間 順さん

91年駒井鉄工に入社。工事部に配属され、長野自動車道の小仁熊橋から始まり、3現場を経た後、設計部に異動。震災後の95年から2年間阪神高速の神戸線復旧18工区の設計を担当。日々仲間と奮闘する中で「新設と違う難しさと楽しさを知り、今に続く保全の道ができた」と。 96年から日本橋梁建設協会の保全部会員となり、現在21年目。99年に「既設橋梁落橋防止システムの設計の手引き」の作成に参画して耐震補強設計のスタンダードを広めた。05年に大阪勤務となったため同第二部会へ。13年に部会長。15年に副幹事長になった折、熊本地震が発生。478橋延べ302人の協会加盟会社の技術者を現地に派遣。調査報告書をまとめ、手引きでは気が付かなかった各種落橋防止装置の改良点を明確化した。 思い出は、14年に設計した橋梁でGW中に火事で被災した際、当時の保全部会長が休日を返上して調査・補修方法の資料をFAXで送り続けてくれたことだ。「多くの社内外の偉大な技術者に育てていただいた。垣根がないのは保全ならでは。感謝の念に耐えません」。今年6月からは幹事長となった。「少しでも今までの恩返しができれば」と熱がこもる。 今後の目標は「魅力ある保全工事のための仕組み作り」。小規模多工種で儲からない理由、より良い発注方法などを協会の仲間と調査して資料をまとめ、全国を回って各地整の意見交換会で提案する活動を地道に行う。 月に数度、大阪で暮らす家族に会うことを楽しみにしている傍ら、社内では働く楽しさや仲間と過ごす喜びを目的として家族も参加できるイベントの開催にも注力している。東京都出身の49歳。(北澤宏美)

愛知製鋼