「日本に来て良かった」を目指して

相原 恭平

むすびば株式会社
代表取締役社長
相原 恭平さん

「外国人労働者にとってコミュニケーション力は非常に重要で、日本語が話せかどうかで同僚との距離が大きく変わる」と話す相原氏が代表を務めるむすびばは、建設業などの外国人労働者向け技能実習者オンライン日本語教育サービスを提供するベンチャー企業だ。 大学4年を迎える春から意を決して1年間休学し、ベトナムで日本語を教えるボランティアに参加した。そこで、将来日本で働くことを目標に、日本語を熱心に学ぶ多くの若者の真剣な顔つきを目の当たりにした。 「何とかしてこのベトナムの若者たちの力になりたい」という強い思いを胸に、大学卒業後は社会起業家養成所「ボーダレスアカデミー」など、ソーシャルビジネスを展開するボーダレスジャパンに入社。その2年目に独立、2021年5月7日にむすびばを立ち上げた。 「建設業などに従事する外国人労働者はことばの壁に加え、慣習や文化の違いを感じて孤独を抱えてしまうことが多い。同僚とプライベートで付き合う関係に発展するケースは稀で、いつも一人で週末を過ごしている」という。 やはり異国で生活する外国人労働者にとってコミュニケーションは必要不可欠で、それは仕事における生産性向上にも大きな影響を与える。 現在、同社では建設業のあらゆる職種において、短期間で仕事と日本語会話力が上達するプログラムの開発に取り組んでいる。職種に応じて必要な日本語力や技術力を習得できるカリキュラムを開発し、建設企業に日本語教育を提供しており、2週間の無料体験も実施している。 休日は九州の名湯を巡り、心身ともにリフレッシュ。趣味はJリーグなどのサッカー観戦で、昨年日本を沸かせたW杯の盛り上がりにも乗じて「日本に来て良かった」「受け入れて良かった」双方の笑顔を目指す。 中央大学商学部卒。神奈川県横浜市出身、25歳。 (本間俊行)

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