吾唯知足2021年2月21日号掲載分

吾唯知足 異を立てることは、自由だ▼しかし、森喜朗五輪・パラリンピック組織委員会会長の女性蔑視と受け取られかねない発言だとされた「女性がいる理事会は時間がかかる」と発言したことが、受け止め人の、特に女性登用の五輪精神に反するとしてボランティアの辞退、大手スポンサーの非難や広告辞退意向などを受けて政財界に太いパイプを持つ元総理大臣をもってしても、というより、そもそも今の日本国で女性を蔑視したり、卑下したりすることはまず、ない。後任会長候補にまで辞退されてしまい、開幕まで後半年を切った中、開幕7月まで予断を許さぬ状態になってきたことだけは、間違いない▼男尊女卑の国民の代表とされてしまった元総理大臣には同情の余地もない。がそうした国民であるとの認識が世界に流布されるのは迷惑この上ない▼東京オリンピック・パラリンピックを契機に、低迷する日本経済を底上げしてもらい、コロナ禍で疲弊した経済、特に地方経済の再生・復活を果たすなど、民間活力をより戻してもらいたいものだ▼1980年代後半、経済力で日本に追い抜かれつつあった米国が復活できたのはなぜか。「失われた20年」が、「失われた30~40年」の正念場にいることを忘れてはならない。

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