吾唯知足2022年12月1日号掲載分

吾唯知足 FIFAワールドカップ・カタール大会での初戦ドイツ戦での歴史的快挙の美酒を味わった後だけに、コスタリカ戦の残念な結果には何もかもが苦々しく感じられた▼とにかく慎重な国民性か、ジャイアントキリングを成し遂げた後でも、シュート数やボールの支配時間など、流れは圧倒的にドイツにあったと分析し、日本チームを不安視する専門家のレポートもあった▼対してコスタリカのサッカーファン、7点差で敗れたスペイン戦の後でも、むしろ意気軒高、日本戦に向け選手たちを背後から鼓舞する姿が目立ったというからその不撓不屈にはあっぱれと言わざるを得ない▼実は筆者にはコスタリカに友人がおり、何度も食事を共にした。米飯に豆類がふんだんに使った彼の国の料理は日本人の口にも合うし、とりわけセビチェという主に白身魚のメロを使うマリネは南米の太平洋岸地域の名物料理とのことで酒の肴にうってつけだった▼日本戦後には本国にいる彼もうまい酒を飲んだであろうことを思い、いささか気分を持ち直す▼試合の敗因分析も重要かもしれないが、これを第3戦の勝利、ひいては予選突破、そして初の8強入りの布石だったと期待し、余裕をもって2日未明のスペイン戦を待ちたいものだ。

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