東北では60現場超

中尾 浩

ヒロセ株式会社 大阪本店
橋梁営業部 部長
中尾 浩さん

1986年に入社し、下水道事業などに携わる。本業とは違う分野に10年以上、その後、98年に橋梁事業へ。 営業畑を一貫して歩んできたからこそ、現場の重要性を認識する。 「仮橋を設置する現場を見てこそ、ユーザーにとって最適な提案ができる。設置後にどのように使われているか、そうしたデータの蓄積は、さらに別の工事にも生かせる」と語る。 現地調査に始まり、計画立案、設計、施工中には協力会社への指導、そして施工後の安全管理まで、仮橋に関し一貫したサービスを提供することがヒロセの強みである。 2011年の東日本大震災当時、広島支店に勤務していたが、甚大な被害を被った東北一帯の復興に全社あげて取り組む中で、2012年に東北支店へと赴任した。 当時は復興事業が、その緒についたばかりで、かつて人々の生活があったはずの一帯は瓦礫の山が横たわる状態だった。 「あの頃、復興に携わる人に共通していたと思いますが、どうして、こんな事に、というやりきれない思いを絶えず感じていました」。 つらい気持ちを抱えつつ、それでも復興を願う住民の切実な思いに応えようと、ハンドルを握り締め被災地を回る。 とある冬には凄まじい吹雪にまかれ、視界不能に陥り、立ち往生、車両の中で途方に暮れたこともあったそうだ。 4年間で60現場以上に携わり、仮橋を架けて回った。それらはう回路として、または工事用の仮構台として、復興事業に貢献している。 2016年、4年間の勤務を終え、現職を拝命し、大阪本店に異動する。一男一女の子供も既に、独立した。単身乗り込んだ東北時代の方が健康には気遣っていたと、今では少し増えてしまった体重を気にしつつ、休日は妻と美術館巡りをして気分転換を図る。大阪府出身。56歳。(川村淳一)

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