顧客ニーズをつかむ

株式会社広津産業
工務部 工務課
有留 満

平成2年に入社。標識など道路安全施設で始まり、現在は、IT技術を組合わせた情報表示システムの構築や、維持補修など道路事業に広く関わる同社。 降雨、気温、積雪、そのほか気象情報の観測、表示システムは安全な走行に欠かせないもの。大手が強いこの分野だが、徹底した地元主義の立場から、地の利を生かし、県内の道路管理者らのニーズを的確に掴むことで、商機を得て来た。  「例えば、近年の集中豪雨では、都市部における被害が増加、特に道路のアンダーパスが冠水する事態も増えています。その観測システムなどを早速、取り入れています」。 入社以来、一貫して現場での施工に携わる。昨年度には、しまなみ海道の多々羅大橋の補修を担当。自転車専用道路でMMジョイントを計80カ所、延べ240メートルに渡り施工した。 「埋設型のMMジョイントにする事で、耐久性や走行性の向上につながります」。同橋の特色は自転車の観光客。そのため、彼らの走行を妨げないように施工を止める事も度々だったという。「機械が大型化し、施工性がよくなっています。それだけ品質にも自信が持てます」。導入後5年以上過ぎ、橋梁分野の主力商品として定着している。 昨年50周年を迎えた同社。四半世紀を超えて会社を支えて来た。土木、電機関連、通信関連と、仕事の幅は広がり、扱う品目も増えている。その都度、現場で覚え、また関連資格の取得に努めて来た。「技術者は現場で学ぶのは当然、それをきちんと学び直し形にすることも大事。それが自信になり、信用にもつながる」と若手にも資格取得の重要性を説くそうだ。60歳。広島県出身。(川村淳一)

愛知製鋼