吾唯知足2021年7月21日号掲載分

オリ・パラ開催直前だ。飲食なしながらも橋本会長主催のＩＯＣ会長の歓迎会も開催されて、まさにオリ・パラ成功に向けて世界が一つになるはず▼ところでバッハ会長の父君はドイツ兵で、ソ連捕虜収容所からの帰還者とのこと。人類史最悪と形容される独ソ戦、死者数も凄まじいが、双方の捕虜に対する扱いがひどい▼ソ連兵捕虜５７０万人の内３００万人が死亡（ほぼ死亡という記述も）、降伏後のドイツ捕虜も悲惨、３００万人の内、強制労働等で１００万人が死んだという▼１９５３年生まれのバッハ会長が物心つく頃には父君は収容所生活がたたり、心臓を患って満足に働ける状態ではなく、早くに他界したそうだ▼そうした幼少期の不遇をものともせず、またバッハ氏、身長は１７１センチと小柄、フェンシング選手としては圧倒的に不利であるにもかかわらず、多くの国際大会で活躍、モントリオール五輪では団体で金メダルも獲得する▼来日後、早速広島に足を運び、原爆慰霊碑に献花、平和の祭典の開催に相応しい会長の姿に世界が称賛する・・はずだったが▼連日１０００人超えのコロナ感染者を出す東京では、ワシントン・ポストが「ぼったくり男爵」と揶揄する彼を歓迎するムードはいささか少ないようだ。